所在地:秋田県仙北郡美郷町六郷米町56創業:1874年代表銘柄:春霞 Harukasumi
酒造好適米として最も有名な品種は「山田錦」ですが、北国秋田では晩生品種である山田錦を栽培することは困難だったため、秋田地で栽培しやすい秋田県独自の酒造好適米として誕生したのが「美郷錦」です。蔵では平成17年から美郷錦の栽培を始めています。大粒でタンパクが少なく、精米特性に優れている良米ですが、実は栽培しやすい品種ではないという一面も。その意味では「プロのための品種」とも言えます。ただ、栗林酒造店の仕込み水や使用酵母との相性は良く、蔵の酒造りには非常に適したそうで、年々栽培量を増やし、2019年度には蔵全体の8割以上に美郷錦を使用しています。
清水の郷・秋田県美郷町。ここは町内に126カ所もの湧水が確認され、名水百選にも選定された水の町とも言われています。奥羽山脈の麓、扇状地の上にあるため地下水が豊富で、かつては酒蔵が20以上あったとされる地域。各家庭でも地下水を汲み上げて使用するのが一般的なほど、水の宝庫です。蔵で使用している仕込水も、地下25メートルから汲み上げた地下水は年間を通して約12度前後で、水質は軟水。湧き出る上質な水のように飲み疲れをしない食中酒の一役を担っています。