所在地:広島県呉市仁方本町1-11-2創業:1872年代表銘柄:寳劔 Houken
広島県は呉市仁方町に位置する山と海に囲まれた小さな町にあります。蔵内には野呂山をくぐって自然に濾過された宝剣名水と謳われる、酒造りを支える水が湧き出ています。この地域はミネラルの少ない軟水のため、醸造に使用するには醪の発酵が促進されず、扱いづらいとされてきましたが、明治中期に「軟水醸造法」が開発され、ふくよかできめ細かな甘口の酒質が“広島の女酒”と呼ばれるようになりました。ですが宝剣酒造の代表銘柄「寳劔」は、一味違います。名の由来は、仁方町が昔からヤスリの生産量が日本一の町であり、ヤスリの生産と共に刀鍛冶も多くいたことから。軟水醸造法を駆使して、しっかりと発酵させることで伝統的な“女酒”とは違う、キレのある辛口の酒に仕上げています。現杜氏の土井鉄也さんは実は中学時代から“ドイテツ”の異名で恐れられた暴れん坊で、土建屋働いていたそう。酒造りはゼロからのスタートでしたが、持ち前の負けん気で、酒造組合主催の「全国利き酒選手権」でチャンピオンになるほど勉強熱心。蔵の酒質をみるみる向上させています。酒造りのこだわりは「100%の日本酒、気合」。100の知識を出し切り、仕込みの長丁場こそ、気合で自分を後押しする。魂のこもった酒を醸しています。