所在地:岡山県真庭市勝山116創業:1804年代表銘柄:御前酒 Gozensyu
古来「うまさけの国」と言われたこの「美作(みまさか)」の地(岡山県北の旧国名)で美作勝山藩御用達の献上酒として「御膳酒」の銘を受けた代表銘柄。平成19年より岡山県初の女性杜氏 辻 麻衣子さんが酒造りを行っています。一番のこだわりは地元の米・岡山県産の「雄町」。全国で使用されているほとんどの酒造好適米のルーツであるとされ、100年以上も前に発見され、現在も残るただ1種の混血のない米。辻本店では2022年の醸造より全量岡山県産の雄町での仕込みに舵を切りました。酒米を絞ることで習熟度が増して酒質はより安定し、特上から当外米までさまざまな等級の「雄町」を使いこなします。
従来の「菩提もと」の製法をベースに先代杜氏、原田 巧が試行錯誤を繰り返して御前酒の蔵に適した製法として生み出した新しい「菩提もと」。仕込み水に生米と炊いたご飯を入れて酸性にし「そやし水」を作るところ、辻本店は少量の米麹を水に浸け、乳酸菌を繁殖させ「そやし水」を作ります。そして乳酸が大量に生成された頃に一度、加熱殺菌し安全性を高めてから仕込水として使います。「コクがあって、なおかつキレのよい酒」を引き継ぎながらも、さらに”なめらかさ”を求めて蔵人と共に日々研究に努めます。