所在地:三重県鈴鹿市若松東3-9-33創業:1869年代表銘柄:作(ざく)Zaku
「倭姫命世紀(やまとひめのみことのせいき)」という古い書物の一節に、「私は味酒鈴鹿国から来た」という記述が見られることや、現代における辞書にも、「うまさけ」と引くと「うまい酒の地」「酒の産地として有名な鈴鹿にかかる枕詞」と掲載されていることから、はるか古の時代から鈴鹿は美味しい酒を造る味酒の地であったことが伺い知れます。鈴鹿山脈から湧き出る清冽な伏流水は広大な伊勢平野へと流れ込み、そこでは良質な米が育まれます。清水清三郎商店としてこの地に創業して以来150年。長い歴史の中で伝えられてきた「味酒鈴鹿國」に恥じぬよう、今日もまた酒を醸しています。
清水清三郎商店では仕込み総量を少なく設定、総米600kgから800kg程度の仕込みを行います。これによって醪の変化などに対応しやすくなり、より品質の高い酒が出来上がります。その分、もちろん手間はかかり大量生産には向きませんが、醗酵タンクの中での麹と蒸米の状態や酵母の働きにとって、ちょうど良い仕込みであることに疑念の余地はありません。2016年に開催されたG7伊勢志摩サミットでは、「作」シリーズ最高峰の純米大吟醸「智(さとり)」が乾杯酒に選ばれ、一躍人気ブランドに。また、大吟醸だけではなく全ての仕込みに小仕込みしているため、レギュラーシリーズまで一貫して、透明感と調和のとれた丸みのある味わいをみせてくれます。