ブルゴーニュの風を追いかけて。世界の銘醸地を巡るポスト・ブルゴーニュ特集

ブルゴーニュの風を追いかけて。
~ブルゴーニュイズム宿る新進気鋭の実力派産地を探す旅~
昨今のブルゴーニュワインの高騰化には思わずため息が出る今日この頃・・・。
いつのまにか高嶺(高値?)の花になったような感覚です。
もう、私たちが知っているブルゴーニュは、手が届かない遥か彼方の存在となってしまったのか・・・
ワイン好きの嘆きを真に受け止め、
ブルゴーニュイズム宿る新進気鋭の生産地を厳選しご紹介いたします。
懐かしきブルゴーニュを感じる、いや、ブルゴーニュをも凌駕する。
そんなワインをお楽しみください。
そもそも、“ブルゴーニュ”とは??
偉大なワイン産地ブルゴーニュ。
「ワインの王様」と称される、ブルゴーニュワインを語るうえで欠かせないのは、
「単一品種(モノセパージュ)」「石灰土壌」「グランクリュ」です。
単一品種(モノセパージュ)
ブルゴーニュワインの特徴は単一品種で造られているということ。
特に黒ブドウはピノ・ノワールとガメイ、白ブドウにはシャルドネとアリゴテが主な品種です。
ブルゴーニュワインのピノ・ノワールはバラヤスミレのようなエレガントでチャーミングな印象のものが多く、
シャルドネは華やかで凛としたミネラル感を持つ白ワインとなり、ブルゴーニュピノとシャルドネは全世界のワインのお手本となります。
ブルゴーニュワインを知れば全世界のワインが語れるといっても過言ではないでしょう。
石灰土壌
ボジョレーを除くブルゴーニュ全域の95%がジュラ紀由来の粘土石灰質土壌です。
何十億年も堆積した地球のエネルギーを吸収した、ミネラルがたっぷりと詰まったピチピチのブドウが実ります。
実は石灰質土壌というのは地球上に約5~7%しかなく、そんな貴重な土壌がこんなに集まったブルゴーニュはまさに奇跡そのもの。
そこに冷涼気候の要素が加われば、健康的で身の詰まったブドウが育ち、やがては酸のバランスが非常に良い素晴らしいワインになるのです。
グランクリュとA.O.P
ブルゴーニュ地方の畑は、自然条件の優位性に基づき、ブドウ畑が村名、1級、特級と格付けされています。
また、このような格付けがA.O.P(原産地統制呼称)に反映されていることも稀有な特徴です。
もともとは1935年に、A.O.Pの前身であるA.O.Cが制定され、
その後2009年の法改正により、EUに加盟しているワインの産地はそれまでは別々に制定されていたA.O.C.とV.D.Q.S.を合わせて、
A.O.P.(原産地呼称保護)という格付け表記になりました。
1935年からのたしかな評価が脈々と受け継がれていますが、
特に評価されるエリアはグラン・クリュとプルミエ・クリュが持つ生産者と畑の密接な関係性です。
ポスト・ブルゴーニュな隠れ名醸地
北部イタリア/トレンティーノ・アルトアディジェ

イタリアで最も北に位置するトレンティーノ・アルトアディジェジェ州。
アルト・アディジェはイタリアを代表する白ワインの産地であり、
ここで造られる白ワインは、全て清らかな酸を持ち、香り高く、クリーンでフレッシュな味わいのワインとなります。
土壌は石灰土壌と火山土壌が混ざっており、緯度は南ブルゴーニュと同程度、
さらにはアルプス山脈に近いため冷涼で、15度を超えるほどの昼夜の寒暖差も!
一方でトレンティーノは、アディジェ川沿いは沖積土壌、丘陵は苦灰岩、石灰岩に斑岩が混ざった土壌で、
トレント(D.O.P)という、フレッシュさが満ち溢れた瓶内二次発酵のスパークリングワインが造られてます。
トレンティーノ・アルトアディジェはブドウにとっての最高な環境が整っており、
美しい酸を保ったまるでブルゴーニュのシャルドネのような印象の抜群の安定感のあるワインをお楽しみいただけます。
チリ/マジェコ・ヴァレイ

かつてはインカ帝国が栄え、太陽の帝国と呼ばれていたチリ。
チリはなんだか暑い国のようなイメージがありますが、実はブルゴーニュ好きをも唸らせる、
“冷涼&ミネラル”なファインワイン生産国です。
東京~シンガポールくらいまでの距離に相当するほど南北に長いチリの国土は、ブドウ栽培にうってつけの自然環境をもたらします。
ポスト・ブルゴーニュともいえるマジェコ・ヴァレイはチリの中でも最南端に位置。
南極からの冷たい風が吹くかなり冷涼な気候で、
日照量も弱いためむしろ寒すぎてブドウは育たないとされていました。
一見不利に思えるようなこのテロワールですが、ひっくり返すとピノやシャルドネの生育にピッタリ!
そこに火山性起源の岩と粘土土壌が加われば、言うまでもありません。
エレガントで冷涼感ほとばしるタンニンが宿った、奇跡的なファインワインが誕生するのです。
南アフリカ/ウォーカーベイ

自然にも人にもやさしいワイン造りが行われてる南アフリカ。
南アフリカの総栽培面積の半分を占める西ケープ州にウォーカーベイ地区はあります。
特にエメル・アン・アード・ヴァレーはウォーカーベイの中でも一番標高が高い場所に畑があり、
加えて最南端に位置しているので海が近く、海風による冷涼な気候が特徴的です。
さらには世界最古の土壌からふんだんにエネルギーを吸収し、海風に抱かれて育ったブドウは、
ピチピチと元気でフレッシュでありながらも綺麗な酸と凛とした骨格にうっとりするワインへと姿を変えます。
また、小規模ながらも実直にテロワールを表現するワイナリーが多いため、
南アフリカのエネルギーがそのまま染みわたるような神秘的で美しいワインを楽しめます。
番外編 ブルゴーニュをも凌駕するワインの王“バローロ”

ブルゴーニュの高騰化の中で、味覚的な秀逸性ファインアートのごとき感動をもたらすワインである“バローロ”。
ピエモンテのピノ・ノワールと名高く、イタリアで最も高貴な品種であるネッビオーロの力強さ、厳格さが最も秀逸に表現され、
さらには長期熟成のポテンシャルも秘めたバローロは、かつてよりイタリアの美食家やプロから愛されてきました。
芸術作品のごときファインワインであるバローロは、ブルゴーニュワインの代替品としてではなく、
むしろ“バローロ”という地位と名誉のあるアートの一つとして鑑賞すべきワインといえるでしょう。
好きなバローロがすぐに分かる!バローロ早見表

バローロと一概に言っても、味わいや熟成のポテンシャルは異なります。
ラ・モッラやバローロなどの村がある生産地区西側はトルトニアーノと呼ばれる青い泥灰土で、砂も混ざり、マグネシウムも豊富です。
そのため、香り高く、優美で、比較的早飲みの“女性的バローロ”が生まれます。
一方で、セッラルンガ・ダルバやモンフォルテ・ダルバ、カスティリオーネ・ファレットなどの村があう東側は、
エレヴィッツィアーノと呼ばれる泥灰土で、鉄分が多く赤茶色です。
そのため、こちらは厳格でスパイシーな“男性的バローロ”が生まれます。

















