所在地:栃木県足利市田島町611創業:1980年
1950年代、当時の特殊学級の中学生たちとその担任教師によって開墾されたブドウ畑。ブドウと椎茸の栽培を中心にした農作業を通して、園生の自立を目的とした知的障害者更生施設が1969年に開所し、「こころみ学園」と命名されました。その後、1980年こころみ学園の考え方に賛同する父母の出資により有限会社「ココ・ファーム・ワイナリー」が設立されました。
畑は驚くほどの急斜面(最大傾斜38度)で、畑の草取りはすべて手作業。なんと開墾以来50数年間、除草剤を一切撒いたことがないそうです。畑の虫をつまんで駆除したり、病気になってしまった葉っぱや粒をひとつひとつ丁寧に拭いて取り除いたり、またブドウの一房一房に笠をかけたり・・・。急斜面のため人間の手でしか出来ない作業に園生が愚直に取り組んでいます。さらに醸造技術も素晴らしく、その過程においても園生たちの地道な仕事が輝きます。 日本を代表する多くのワインがここで誕生する所以は、こうした真摯に造りに向き合う姿勢と、取り巻く人達の愛情の賜物なのであろうと感じます。都内から1時間半のアクセスにあるこのワイナリーで、ブドウ畑を眺めながら併設のカフェテラスで地元の食材とワインを楽しむのもよいかもしれません。