出荷対応:月~土(祝日含む)
タケダワイナリー
タケダワイナリー Takeda winery
所在地:山形県上山市四ツ谷2丁目6-1
創業:1920年
大正時代から続く伝統あるワイナリー
蔵王連峰のふもと、山形県かみのやま温泉からほど遠くない、東南斜面に約15ヘクタールにおよぶ自家農園を持つタケダワイナリーの歴史は、
1920年の大正時代にまで遡ります。
タケダワイナリーのオーナー武田家の祖先は、もともと山形市沖の原の大地主でした。
そこから家系は枝分かれしてゆき、現在の社長は五代目にあたります。
ワイナリーの礎を築いた3代目重信氏の功績
タケダワイナリーの前身である、「武田食品工場」は、まだまだワイン需要の低い時代から青果商と兼業しながらいち早くワイン造りに取り組みました。
第二次世界大戦の戦禍も逃れ、タケダファミリーの3代目に当たる重信氏は、東京農業大学醸造学科に入学、醸造試験場にて研鑽を積むこととなります。
ここでワイナリーの行く末を大きく変える出会いを果たします。
それは、ボルドーの一級ワイン「シャトー・マルゴー」でした。
重信氏は世の中にこんなにうまいぶどう酒があるのかと感銘を受け、「自分もそれを目指したい」という強い思いを持つようになります。
それから山形に帰った重信氏は、さっそくヨーロッパ系のぶどう品種カベルネ・ソービニョン、メルローの栽培に取りかかります。
しかし、植えても植えても、栽培は成功しません。
そんな試行錯誤の中、1974年「武田食品工場」が火災に遭い全焼してしまいます。
この火災を機に、重信氏は兼業の青果物業を一切やめ、ワイン専業に切りかえる決心をしました。
そして「タケダワイナリー」という新社名と、本格的ワイン醸造所としての新工場の青写真を残し、あの日の「シャトー・マルゴー」のようなワインを日本でも造るために、単身ヨーロッパに渡り、フランスボルドーの一級シャトーの土壌を調査を行います。
そして帰国後は調査の成果を活かし、自社畑の土壌改良に着手、数年後には、タケダワイナリーの土地を、中性からアルカリ性のぶどう栽培に適した土壌に変化させました。その方法は、土を入れ替えたわけでも、当時最新の化学肥料を使う方法でもなく、もっと土の本質に根差した有機的な方法を用いたものでした。
この土壌改良のおかげで、カベルネ・ソービニョン種、メルロ種やシャルドネ種の栽培に次々と成功し、着手した20年後には、やっと学生時代に夢見た「ブドー酒」が出来あがったのでした。
そして1990年に、「シャトー」を冠した念願のワイン、「シャトー・タケダ」が誕生しました。
日本初のシャンパーニュに冠された、ワイナリーの立役者「ヨシコ」さん
重信のぶどう栽培への情熱はさることながら、その業績を影になり日向になり、皆の中心にたって支える者がいました。それが、妻の良子さんです。
彼女は上山市より北西の寒河江市の富裕な商家に生まれ、小さい時より“良い品物を扱うこと”を見て触れて育ち、嫁ぐまでは、実家の店で、天性の商業センスで敏腕をふるっていました。
ワイナリーに来てからは、それを生かし資金繰りはもちろん、財務・経理の近代化を行い、ワイナリーのPRにも携わるなど、ぶどうとワイン造り以外に関するワイナリーの発展に大きく寄与しました。
タケダワイナリーは、1989年に日本で初めての本格的な、いわゆるシャンパーニュ製造に成功したのですが、そのシャンパーニュは「ドメイヌ・タケダ《キュベ・ヨシコ》」と名づけられました。
キュベとは、意訳すればその人のために造ったとでも言えるでしょうか。この名を決めたのは、他ならぬ重信氏でした。
想いを受け継ぎ次世代へつなぐバトン
歴史を考えるときに、もうひとつ忘れてはいけないのは、次世代へつなげていくということです。
1989年、タケダワイナリーでは、新しい時代がはじまろうとしていました。
重信と良子の長男である伸一が三年のフランス修行を終えて帰国したのです。
伸一氏は、父と同じ東京農業大学醸造学科卒業後、単身フランスへ渡り、ボルドーの一流ワイナリー「シャトー・ボンテカネ」で2年間、ボルドーの本格的なぶどうづくり、ワイン造りを習得しました。「伸一ほど熱心に忠実に、我々の技術を習得した者は稀である」とオーナーのテッスロン氏に評されるほど、伸一氏は熱心にワイン造りを学びました。
その後、シャンパンが有名な、ロワールの「シャトー・モンムソー」にて研修。ここでも、大きな成果をあげました。
伸一氏が帰国後、タケダワイナリーの酒質はますます高品質となっていきます。
お気づきの通り、「シャトー・タケダ」「キュベ・ヨシコ」の実現には、まさに伸一氏の大きな功績があったのです。
しかし、1999年、伸一氏は突然の事故でこの世を去ります。
亡き兄の意志と歴史を受け継ぐ5代目
いくら悲しんでも、ぶどうは毎年確実に実をつけます。
伸一氏の遺志を受け継いだのがその妹典子さんでした。
彼女は、玉川大学農学部農芸化学科卒業後、ちょうど伸一帰国後の1990年にフランスへ渡り、また、タケダワイナリーでは伸一氏のもとで、ワイン醸造家として働くなどワインに魅せられた一人でした。
典子さんは兄の死をきっかけに原点回帰し、タケダワイナリーを見つめ直します。
「まだまだ試行錯誤ですが、土の特性、気候の特性を掴んでそれを生かしたぶどう造り、ワイン造りをしていきたいのです。それを見つけるには、自然と共に、体と頭と感性・・・五感をフルにつかって仕事をすることなのでしょうか。」と語る典子さんは、
今やタケダワイナリーの5代目社長を勤め、1920年の開園以来の「良いワインは良いぶどうから」をモットーに、土づくりから始めたぶどう栽培とワイン醸造を脈々と引き継いでいます。
1920年から100年以上の歴史を持つタケダワイナリー。
さまざまな苦悩を乗り越え、今もなお変わらず高品質なワインを造り続けています。
山形の風土ではぐくまれたタケダワイナリーのワインシリーズは、日常の家庭料理にはもちろんのこと、ちょっとお洒落な食事にも幅広く寄り添うものばかりです。
脈々と受け継がれてきたワイナリーの歴史を思いながら、お召し上がりください。
タケダワイナリー
必ずご注文確定までお進みください。